

“Sometimes you look at me, Reed, and I could swear you want to smack my ass.”
“‘Want’ isn’t strong enough of a word to describe what I want to do to your ass.”
すごーく久しぶりにロマンス洋書感想です。ヴィ・キーランドとペネロペ・ワードがタッグを組んだ『Hate Notes
』を読みました!
ヴィとペネロペはすでに何冊も共著を出していて、どれもベストセラーだし、とても面白いのですが、この『Hate Notes
』はとくに人気でレビューもよかったので、時間ができたら絶対読んでみたいと思っていたんですよ。
先日、アマゾンの商品券が手に入ったのでついポチってしまいました。
後悔はしてない。はい。面白かったです!!
ヒロインのシャーロット・ダーリンは数年来の恋人に浮気されて、結婚直前に破局。もう少しで着るところだった新品のウェディングドレスを、中古服屋に売りに行くところから話がはじまります。そこで、とっても美しい羽根つきのウェディングドレスを発見してしまい、思わず試着するのですが、内側にそっと縫い付けられた青いメモ……いわゆる「Something Blue」を見つけます。
そこに書かれたロマンチックな新郎からの手紙を読んだシャーロットは、一体これを書いたのは誰だろう、どうしてこんな素敵な手紙があるのに、このウェディングドレスは中古服屋に売り払われる運命になってしまったんだろうと興味を持ちます。
To Allison —-
“She said, ‘Forgive me for being a dreamer,’ and he took her by the hand and replied, ‘Forgive me for not being here sooner to dream with you.'” —-J. Iron Word
Thank you for making all of my dreams come true.
Your love,
Reed
シャーロットは思わずそのウェディングドレスをお買い上げ。自分のを売りに行ったのに新しいの買ってるという(笑)。ちょっと天然でどーしよーもない子なのですが、めちゃくちゃいい子です。
そのメモのレターヘッドについている「リード・イーストウッドのオフィスより」という一文を元に、家に帰ってさっそくググる現代っ子シャーロットちゃん。検索結果に出てきたのは、クリントという名前の犬を飼ってるおじさん(笑)と、見惚れるほど美形な不動産エージェントでした。
「絶対こっち!」と確信し、その「リード・イーストウッド」の不動産会社サイトを開くと、酒の勢いで超豪華アパートの見学アポイントメントを申請。なぜか通っちゃいます。
あれよあれよと本物の「リード・イーストウッド」と出会うことになるのですが……。
ウェディングドレスに縫い付けられたロマンチックな手紙を書いた人物とは思えないほど、嫌な奴だったリード氏。でもフェイスブックで見たよりもさらにカッコいい偉丈夫。しかも独身……ということは、手紙にある「アリソン」さんとは上手くいかなかったということ。
見学でのリードのあまりの嫌な奴ぶりに、建物のトイレで泣いていると、ある老女が話しかけてきて……。
まぁ、なんだかんだとありまして、結局シャーロットはリードのいる不動産会社で働くことになります。ここからはすごくテンポのいいオフィス・ロマンスです。ヴィ&ペネロペらしい、ユーモラスなバンター(会話)がすごく楽しい!
押して、引いて。引いて、押して。
シャーロットはすごく素直なので、リードの嫌な奴っぷりにもめげず、結構早い時点で恋心を認めてしまいます。うん、こういうヒロイン、好きです! 逆に頑固なのがリード氏。いつまで経ってもシャーロットへの想いを認めないまま、あれよあれよと後半へ突入。
「あれ、もしかしてこれって三部作の一作目だったりする?」
と、不安にさせられるような、頑固な引っ張りっぷり!
うん、こういうヒーロー……嫌いじゃないです。
と言っても、リードがシャーロットへの想いを認められないのは、頑固だからってだけじゃなくて、ちゃんとした理由があるのです。それが結構シビアで、後半70%くらいに入ると物語の雰囲気がガラッと変わってシリアスになります。
泣いた……。
まさか泣かされる種類のお話だと思ってなくて(前半は完全にラブコメだった)、ああぁ〜、まさかそんなーー!! の涙。
ちゃんとロマンス小説ですけど、一般文芸でもいける種類のご本じゃないかなと思います。大人シーンも少なめ。ほんと、最後に数回だけで。
でも、少ないからこそ気合い入れて書いたんだろうなーって感じさせる、すごくインテンスでセクシーな濡れ場でした。文字通り濡れ場……シャワーの中だよ! いひひ。
エピローグもよかった。
色々その先を想像するとまた泣いちゃうんだけど、逃げずに選んだ彼らの道を、祝福せずにはいられない……。そんな素敵な終わり方です。
Dear Charlotte: Do you know why squirrels love you so much? Because you’re NUTS.
Reed
(ナッツは隠語でお馬鹿という意味です)
あと、シャーロットの名字が「ダーリン」なんですよね。で、前半、リードがシャーロットのことを「ダーリン」って呼ぶんですけど、「それは大きいDの方のダーリン?(=名字) それとも小さなdのダーリン?」って何度もなるのが超可愛かった! ずーっと「名字に決まってるだろ」的なことを言っていたリードが、最終的に「今のは小さいdのダーリンだよ」って認めるのがね、いいの! いいのよぉぉぉすごくぅぅぅぅ!!!
おすすめ星5つです。
英語も比較的読みやすい種類のものだと思うので、ぜひ。ヒロインとヒーローの一人称ものです。
ついでに合わせてこちらもどうぞ♪

